岨巒堂山(しょらんどうやま)
ドンデン山の近く、梅津川を挟んで反対側に、岨巒堂山(しょらんどうやま)という難読の山があります。
2万5000分の1地形図には登山道の記載はありません。
が、実際はルートがあり、登ることができます。
トレッキング協議会の方が整備してくれているようで、倒木の切断処理などがされていました。
山頂は展望が非常に良く、ドンデン山や金北山、両津湾を望むことができます。
ただ、夏季は沢周辺がヤブになっていて、ルートファインディングに自信がない方は登らない方がよいでしょう。
データ
難易度 ★★★
駐車場 スペースあり
トイレ なし
コースタイム 上り+下り 210分
標高差 600m
ドンデン山に登る道の途中、左側に支線があり、ここに入ります。
登山口には駐車することのできるスペースが3〜4台分ほどあります。ただ、その奥がダム管理棟につながる道のようなので、邪魔にならないように止めたいです。
前半は、沢に沿った道です。
夏場は、ウワバミソウのような草がとても生い茂り、道がわからなくなるほどです。
沢を渡渉するポイントも数箇所あります。雨の降った翌日に行ってみましたが、特に増水している様子もなく、問題なく渡れました。
かなりヤブヤブしています…。
後半、尾根に取り付くと、道もはっきりしてきて、歩きやすくなります。
山頂下のコルで分岐があります。
ここを真っ直ぐ行くと、イモリ平に出るそうです。うっかり真っ直ぐ進むところでした。
特に標識もないので、しっかりと読図をする必要があります。
最後、ピーク直下までくると、低木の中を進む感じで、急に視界が開け、ガレ場となります。
山頂からのパノラマビューは最高です。
★おすすめ周辺観光情報
佐渡の山の魅力 その①
① 天然スギ林 〜奇怪な形をしています〜
大佐渡山脈の一部には、天然スギ林が広がっています。
新潟大学演習林や石名天然杉林が有名です。スギの原生林と言われることもありますが、わりと人の手が入っているようなので、ここでは天然スギ林としておきます。
※原生林と天然林の違い…原生林は、人の手が全く入っていない森林。天然林は、自然に生えてきた森林で、伐採など人の手が入っていても天然林。さらに、人が植えた森林のことは人工林と言います。
比較的広い面積の天然スギ林が残っているのは、徳川幕府の御料林であったことが一つの理由と言われています。
★ここが見どころ
スギの枝の形がとても特徴的です。雪と風の影響で写真のように枝が垂れ下がったり、枝が片側だけについたりします。大佐渡山脈では、冬に北西からの強力な季節風が吹き当たりますので、スギの木も枝葉を風が当たらない方向だけにつけるようになります。
また、佐渡のような多雪地のスギは、クローンで分身を作ります(無性繁殖などと呼ばれます)。雪の重みで垂れ下がった枝が地面に接し、そこから根っこが生えてきて新しい幹のように振る舞います。
最近iPS細胞が話題ですが、動物とは違い、植物は何回でもクローンで生き長らえることができます。今、目の前にあるスギが果たして何回目の分身なのか、気になりませんか?
天然スギ林があるあたりは、1年間の約3分の1の期間、霧に覆われているそうです。佐渡は島なので、海から湿った空気が一気に登ってきて、冷やされて霧になります。
霧をスギの葉っぱがキャッチして、それが水滴となって地面に落ち(樹雨)、地面を潤します。
島であることが大佐渡山地のスギ林を形成する一つの要因となっているのです。
天然スギ林を見るには?
大佐渡石名天然杉は、無料で誰でも見に行くことができるコースです。冬季は閉鎖されています。詳しくは下記の紹介ページをご覧ください。
新潟大学の演習林をトレッキングするには、さど観光ナビのエンジョイプランからツアーを申し込む必要があります。(こちらも冬はやっていません。)
古峯山(古峰山)
米山(下の記事を参照)に行くついでに古峯山と呼ばれる山に登りました。
舗装路終点から往復で30分ほどで戻ってこられます。
山頂には古峯神社があります。
データ
難易度 ★☆☆
駐車場 スペースあり
トイレ なし
コースタイム 上り+下り 30分
標高差 60m
舗装された林道を行くと、途中で古峯山の標識があります。
車は数台駐車できるスペースが。
ここから歩きます。
この先も自動車で行けそうですが、道が少し荒れているので、オフロード車以外は入り口の駐車スペースまでにしておいた方が良いでしょう。
途中、トイレがあります。中を見ましたが、ちょっと…という感じです。
広場になっているところからUターンする形で山頂への道が続きます。鳥居をくぐって登ります。
道は階段状。
あっという間に山頂に着きます。山頂にも鳥居と祠があります。
途中、両津湾の景色が綺麗でした。
★おすすめ周辺観光情報
米山
下久知から赤玉へ続く県道319号線は、「赤玉越え」や「四十八ヶ所越え」などと呼ばれます。
赤玉に向かう途中、久知川ダムのあたりで左へ林道を進むと、米山や古峯山(古峰山)があります。林道入口には、「米山」の標識があります。
とても簡単に散歩気分で登れる山なので、お子さん連れでも良いかもしれません。スニーカーでも行けそうです。
データ
難易度 ★☆☆
駐車場 なし。路肩に2台程度、駐車可能。
トイレ なし
コースタイム 上り0:30 下り0:20 合計 0:50
標高差 約100m
県道319号線を赤玉方面に行く時に左側に標識があります。
しばらく道なりに進むと、看板とともに米山の登山口があります。ずっと舗装路です。
路肩に2台ほどは駐車できそうです。
看板に「四駆で登れます」とありますが、嘘です。はじめは行けそうな感じですが、途中で傾斜があまりにもキツくなります。クローラベースの車両でないと無理です。
上りはじめはこのような林道風です。
途中で自動車に諦めさせるような表示が。
歩きやすい道が続きます。
山頂には、薬師堂がありました。
下山途中、スギ人工林と広葉樹林のコントラストが美しかったです。
気軽に登れるコースでした。
★周辺観光情報
飯出山
女神山の北西に「飯出山」という山があります。
2万5千分の1地図に登山道は書かれていません。
だが、神社マークと山名が書いてあるので、道はあるはず。
尾根の等高線も、登りやすそうな形をしている。これは実際に行ってみて調べるしかない。
データ
難易度 ★☆☆
駐車場 あり(181号線沿い)
トイレ 山頂付近にあり
水場 なし
コースタイム 上り1:30 下り1:00
標高差 約300m
おすすめ時期 秋:あまり人が通らないようで、夏は下層植生が繁りそうなため。
駐車場
写真
畑野から多田に至る道は島民から「小倉越え」と呼ばれています。途中、2つのトンネルをとおります。1つ目の小倉トンネルの手前に駐車場があり、ここから歩いて登山道に行けます。
ここに車を止めて、まずは181号線沿いに石仏と東屋がある公園のところから坂道を下ります。
小さな公園。
未舗装の道をしばらく行くと看板があります。
うっかり看板を見過ごすと、川沿いにダムの方まで行ってしまう。
この看板に従い、尾根にとりつきます。
尾根を登っていると、平坦なテラス状の地形+急な登りの組み合わせが何度も続くことに気づく。これはおかしい!自然にこんな地形になるわけがない!よくみると、木の生え方もおかしい。
この尾根はむかし、棚田だったようです。1970年台の航空写真を見るとよくわかります。
それにしても昔の人はこんな急な斜面まで利用して稲作をしていたのですね。涙ぐましい努力を感じることができます。
平面写真ではわかりにくいですが、棚田が形成されています。
水路跡っぽい形跡も見られる。遺構フェチにはたまらないです。
地元の方の手による手入れはされているが、夏は下草が繁茂していそう。
落葉樹の紅葉が美しかったです。ウリハダカエデが多いところがありました。
反対側の西側の尾根に謎の場所があります。平らで開けた地形。怪しい…あそこも行ってみたい欲をそそられるなぁ。
植生記号は「v 畑」になっている。車で行けそうなところなので、今度行ってみよう。
次第に尾根が狭くなり、痩せ尾根になっていきます。409mのピークを超えたあたりから、アカマツが増え、植生が女神山と似てきました。
振り返ると、木々の間から、小倉千枚田が見えます。
地形図で「飯出山」と記載されているピークには、何もない。そのまますすみます。
お堂の直下の上りは、急斜面になっています。
登山道は、お堂の裏側からきていた。お堂からすぐ近くに大きな建物が見えるので行ってみると…
観音堂と休憩所がありました。地図を見ると、ここまで車で来れるようになっています。道路は女神山までつながっています。
休憩所にはトイレもあります。(ボットンですが)
この山と観音様の由来が書いてあります。
お堂からの眺めは素晴らしい。
帰りは、元来た道を下る。斜度が比較的急なので、帰りは凄まじいスピードで下ることができました。
おまけ
この山はお地蔵さんがたくさんあった。登山の安全を見守ってくれているみたいです。
★おすすめ周辺観光情報
椿登山口〜金山沢
データ
難易度 ★★☆
駐車場 なし(登山口周辺に3台程度は停められそう)
トイレ なし
水場 なし
◼︎椿登山口
地形図で続いている道は砂防堰堤の管理道路。乗用車で行けるのはその途中まで。
広い駐車スペースはないが、周りの草地などに3台程度は駐車可能。
登山口まで来るまでの道はやや荒れている。
登山口からしばらくの間は、砂防堰堤の管理のための舗装路が続く。
ほうず河原。
幅広の道が続きます。
ひっつきむしがとても多い。
聖滝へは道がなさそう。
舟落からはつづら折りの道が続きます。
急斜面ではないですが、ダラダラと登るのでつらい。
つづら折りが終わると、「たかのおい平」に出ます。
トレッキングマップ上の「たかのおい平」はサワグルミの林のところに打ってありますが、標柱はそれよりも少し手前にありました。謎。
本当のたかのおい平。広くなっているので、ここで休憩を取りました。
金山沢(かなやまざわ)までは、沢沿いの道をトラバースします。
道は滑りやすいので注意。
今回は時間がなく、金山沢までのピストンになりました。
ここからタダラ峰に取り付くと見晴らしが良いはずなので、無念…。